便秘対策には様々な方法がありますが、中でも「食物繊維を積極的に摂取して排便を促す」というのは代表的なアプローチです。
食物繊維と聞くと野菜を思い浮かべる方も多いでしょうが、実は食物繊維はナッツにも含まれています。ナッツは食物繊維を含み、栄養価も高いので、便秘になりにくい体づくりに役立てることができます。
そこで今回は、便秘の概要や便秘対策に役立つ栄養素、さらに健康的な食事に取り入れたいナッツとその食べ方まで、詳しく紹介します。
※便秘が続く場合や症状が重い場合は、自己判断せずに医療機関へ相談してください。専門医による診断と治療が必要な場合があります。
便秘とは、排泄(排便)が順調に行われず、便が腸内に長時間滞留することで、不快感や排便困難を伴う状態のことです。一般的には、3~4日以上便が出ない、または便通が毎日あっても残便感がある場合はすべて便秘とみなされます。
毎日の便通は、理想的な健康状態を示す指標の1つです。しかし、食生活の乱れや運動不足、さらにストレスなどの様々な理由で腸の働きが低下すると、便秘を引き起こしやすくなります。(※出典1)
便秘は、その発生メカニズムによって大きく「機能性便秘」と「器質性便秘」の2つに分けられます。機能性便秘は食生活や生活習慣の乱れが原因で起こるタイプで、器質性便秘は胃や腸、肛門などの疾患が原因で起こるタイプです。
これらのうち、誰もが経験し得る最も多い便秘タイプが機能性便秘です。機能性便秘はさらに「弛緩性便秘」「けいれん性便秘」「直腸性便秘」の3つに分けられます。それぞれの概要を、以下に説明します。
●弛緩性便秘
腸のぜん動運動が弱まり、便を押し出す力が低下することで発生します。大腸内に便が滞留し、水分が過剰に吸収されて硬くなることが特徴です。運動不足や食物繊維の不足が原因となることが多く、高齢者や女性によく見られます。
●けいれん性便秘
副交感神経の興奮によって腸管が過剰に収縮し、便がうまく運ばれなくなることで発生します。ウサギのフンのようにコロコロとした小さい便が出てくることや、便秘と下痢を交互に繰り返しやすくなることが特徴です。
●直腸性便秘
大腸から運ばれた便が直腸にたどり着いても、排便反射が起こらなくなることで発生します。直腸に便が停滞してうまく排便できなくなり、硬くなった便がフタをした状態になってしまいます。トイレを我慢する習慣のある方や高齢者によく見られます。
便秘を放置すると、さらなる健康被害につながる可能性があるため、便秘になりにくい体を作ることと、できる限り便秘解消に向けて早めに対応することが重要です。
そこで次に、便秘対策に役立つ栄養素を解説します。
食物繊維とは、食物に含まれる「人の消化酵素では分解(消化)されない成分」のことです。大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けられ、特に不溶性食物繊維には、「腸内で水分を吸収し、大きく膨らんで便を形成する働き」と、「腸を刺激し、ぜん動運動を活発にする働き」という2つの重要な役割があります。
日本人の食物繊維摂取量は不足しがちなので、意識的に摂取する必要があります。
不飽和脂肪酸とは、脂肪の構成要素である脂肪酸の一種で、植物や魚の脂に多く含まれています。血液中の悪玉コレステロール値を低下させる働きがあることでも知られており、生活習慣病予防や健康維持に向けて積極的に取り入れたい栄養素です。(※出典3)
近年の研究では、不飽和脂肪酸が腸内細菌叢に影響することも報告されています。腸内環境を整え、善玉菌を増やすことで便秘が起こりにくい体づくりを目指しましょう。
ナッツと言っても様々な種類があり、含まれる栄養素もそれぞれ異なります。便秘になりにくい体づくりには、前述した食物繊維や不飽和脂肪酸に注目しましょう。
食物繊維と不飽和脂肪酸が豊富なナッツに「アーモンド」と「クルミ」があります。
●アーモンド
アーモンドは、ナッツ類の中でも特に食物繊維が豊富で、100g当たり10.1gの食物繊維を含んでいます。これは、ナッツの中でもトップクラスの含有量となります。1粒当たりに換算すると約0.1gの食物繊維を含んでおり、毎日手軽に食べられるのもポイントです。
また、アーモンドには100g当たり51.8gの脂質が含まれていますが、そのほとんどが一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸です。
●クルミ
クルミも食物繊維を豊富に含むナッツで、100g当たりの食物繊維総量は7.5gです。
また、クルミには不飽和脂肪酸の中でも、特にオメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)の含有量がナッツ類の中でも最も高いのが特徴です。
オメガ3脂肪酸には、腸の炎症を抑える働きがあり、腸内で善玉菌が増えやすい環境をつくる効果が期待できます。
生のキャベツに含まれる食物繊維は100g当たり1.8gなので、ナッツは効率的に食物繊維を摂ることができるということが分かります。(※出典4)
便秘になりにくい体づくりにはナッツだけでなく、その他の食品もバランスよく取り入れ、水分をよく摂ることも大切です。
食物繊維を含むナッツや野菜や果物、プロバイオティクスである発酵食品などは便秘対策に役立つ可能性があります。サラダやドライフルーツ、ヨーグルトは日常的に取り入れやすい食品と言えるでしょう。また、これらの食品とナッツを組み合わせることで、便秘になりにくい体づくりが目指せます。
例えば、ヨーグルトにナッツやドライフルーツを加えることで、食物繊維と乳酸菌を一度に摂取できます。また、サラダにナッツをトッピングすれば、バランスよく栄養を摂取でき、整腸作用を期待できるでしょう。
ナッツはそのまま食べてもおいしいだけでなく、料理やお菓子づくりにも使える万能な食材です。
また、ナッツを選ぶ際は1種類に絞るのではなく、アーモンドやクルミのほか、カシューナッツやピスタチオ、ヘーゼルナッツといった数種類がミックスされたものを選ぶと、飽きずにそれぞれの栄養素をバランスよく摂取できるのでおすすめです。塩分やカロリーが気になる方、ナッツ本来のおいしさを味わいたい方は、素焼きナッツを取り入れるのもよいでしょう。
ナッツには食物繊維と不飽和脂肪酸を含む種類があります。便秘対策には、食物繊維で腸を刺激するだけでなく、不飽和脂肪酸などで腸内環境を整えることも意識することが重要です。食物繊維摂取量や不飽和脂肪酸摂取量を増やしたい方に特におすすめのナッツとしては、アーモンド・クルミが挙げられます。そのまま食べるのはもちろん、他の食材と組み合わせて食べるのもおすすめです。
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