私たちが数年前に発表した1日25粒のアーモンドを6ヶ月間食べ続けると平均で2.9kg体重が減少したという結果については、
現在でも問い合わせが続いています。
研究によれば、これは一つには便通が増加するためであり、
特に日頃から便秘傾向にある方(週の排便回数が4回以下)には有効でした。
もう一つはアーモンドを食べ続けた方は間食が減ることも分かりました。
なお、これらの効果は試験開始より3ヶ月を過ぎた頃から明確になりました。
つまり、食べ続けることが大事なのです。
さて、後者の間食が減ることについて、新しい研究結果が報告されました(Nutrients 2019; 11(9). pii: E2030)。
この研究では、アーモンドを午前中のスナックとして消費する効果について、エネルギーと重量が一致する比較用スナック(クラッカー)または同等の水(カロリーゼロ)と比較しました。
この研究では、42人の女性(平均26.0±7.9歳、平均BMI:22.0±2.0)が決まった朝食を食べ、
その後午前中におやつを食べてもらいました。
その後、食欲、24時間のエネルギー摂取、食事に対する楽しさなどを評価しました。
結果として、クラッカーや水と比較して、アーモンドを食べた後は全体的な空腹感が低いことが明らかになりました。
この試験ではアーモンドを食べてもらった場合の24時間エネルギー摂取量は、クラッカーまたは水と比較して差はありませんでしたが、アーモンドは、クラッカーよりも高脂肪食品を消費するための快楽的嗜好を抑制し、高い満腹指数を示しました。
つまり、同じエネルギーを摂取するならスナック菓子のようなものよりもアーモンドの方が余計な食欲を制御しやすいことが明らかになったのです。
間食を食べ過ぎていると思った方は、一度、アーモンドに挑戦してみませんか。
1961年福岡県生まれ。理学博士、医学博士。平成22年度文部科学大臣表彰され、わかりやすい解説に定評があり雑誌・テレビ出演も多い。