ナッツを御存知ですか?
アーモンド、くるみ、・・と思い当たる方も多くいらっしゃると思います。私たちが馴染んでおり、“ナッツ”という名前が付いてもピーナッツやココナッツはナッツではありません(下表)。ナッツは植物の種子の中にある仁(梅干しの種を想像してください)で、樹上にできるものだけを指します。
ナッツの起源は遺伝子スクリーニングによれば、中央アジアや中近東の乾燥地帯で、古代より王侯貴族の嗜好的食べ物、あるいは薬として用いられてきました。それは、栄養価が高く、ビタミン、ミネラル等の栄養バランスに優れているためです。今日では、これら栄養面だけでなく、ナッツの良質の脂質(オメガ3やオメガ6の脂肪酸)や他に抜きんでた食物繊維量などが注目を集めており、単に栄養を摂るというだけでなく、積極的な健康増進効果が期待され、世界中で研究され、実証されつつあります。
私たちの研究室では現在、ナッツの抗糖化作用について研究を進めています。糖化は生活習慣病や加齢と関連しています。更には、これら研究と共に、日本人に合った食べ方や量を知るために、ナッツを使った治験(ヒト試験)を展開しています。
「ナッツで、健康に!美しく!」を合言葉に、私たちは今後とも、ナッツ普及の科学的側面支援を行って行きたいと思います。
これから、毎号、紙面をお借りしてナッツの情報をお伝えさせていただきます。今後とも宜しくお願いいたします。
アーモンド | ○ |
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くるみ | ○ |
カシューナッツ | ○ |
ピスタチオ | ○ |
マカダミアナッツ | ○ |
ピーナッツ | × |
ココナッツ | × |
栗 | × |
1961年福岡県生まれ。理学博士、医学博士。平成22年度文部科学大臣表彰され、わかりやすい解説に定評があり雑誌・テレビ出演も多い。