広島大学は、くるみ15g、アーモンド7.5g、ヘーゼルナッツ7.5gの2:1:1で配合したミックスナッツ30 g を一週間摂取することで、身体の糖化レベルを有意に改善し、体脂肪量が減少するという研究結果を9月上旬にマレーシアで行われた第16 回 国際生理人類学会議(16th International Congress of Physiological Anthropology)にて発表しました。
【背景】
ナッツは、タンパク質やビタミン・ミネラル・必須脂肪酸等を含む食品で、過度な糖質の摂取リスクが低いことも特長です。広島大学の黒坂准教授はくるみ、アーモンド、ヘーゼルナッツのミックスナッツは「栄養面でマイナス点がない」と評価しており、ナッツの摂取が体組成や身体機能に与える影響について、探索的な調査を実施しました。
【研究目的】
本研究では、低糖質食のナッツの摂取がAGEsと健康指標に及ぼす影響を検討することを目的としました。
【研究方法】
40-60 代の男女合計100名を対象に無作為で実験群と対照群に分けました。実験群は、くるみ15g、アーモンド7.5g、ヘーゼルナッツ7.5gの合計30gのオメガ-3脂肪酸、ビタミンE、オレイン酸が豊富なミックスナッツを、毎日の朝食前に1週間摂取してもらい、実験群と対照群それぞれのAGEsと体脂肪量を測定しました。
【結果】
実験群は、AGEsと体脂肪量が有意に減少し対照群の変化は見られませんでした。具体的には、実験群のAGEsのスコアが217から193へと減少し年齢換算をすると-7歳、体脂肪は平均で1kg減少しました*。
ロカボ(=低糖質食)のくるみ、アーモンド、ヘーゼルナッツのミックスナッツは、糖質コントロールに適した食品であり、食物繊維、オメガ3脂肪酸、鉄、亜鉛、ビタミンE など栄養素を含んでいます。またナッツは良質な脂質を含み、咀嚼回数が多くなることから満腹感を得やすい食品です。今回の治験者たちは特に食事などを減らすことをしなかったため、普段の食生活に比べて摂取カロリーは高かったと思われますが、それでも糖化の改善と体脂肪の減少が認められました。今回は1 週間のみの介入であったが、今後は長期的にくるみ15g、アーモンド7.5g、ヘーゼルナッツ7.5gのミックスナッツを摂取していくことで、広範囲な健康指標についての効果の測定を行っていく予定です。
※AGEs(最終糖化産物)とは
最終糖化産物/AGEs(Advanced Glycation End-products)(エージーイー)は、ブドウ糖や果糖などの単糖がタンパク質や脂質などと糖化反応を起こし、形成・蓄積される老化物質です。これまでの多くの臨床研究によりAGEsの蓄積が生活習慣病や老年兆候と関連することが報告されています。
出典:AGE Scanner(エージーイースキャナー)日本総輸入代理店セリスタ株式会社
*Yoshida et al (2023) The effects of Lo-ca-bo nuts on AGEs and health promotion,16th International Congress of Physiological Anthropology発表データより引用
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