クランベリーは、北米3大フルーツの1つとして知られている果物で、アメリカ先住民族が食料や染色のほか、薬としてクランベリーを生活の中で幅広く活用してきた歴史があります。クランベリーには食物繊維、ビタミンE、プロアントシアニジン、キナ酸などの栄養素が含まれており、栄養バランスを整えたい方の味方であり、おやつや料理・スイーツの材料としても人気のある食品です。
この記事ではクランベリーに含まれる栄養素やその機能、おいしい食べ方について解説します。ドライクランベリーのアレンジ方法も解説しているため、ぜひ参考にしていただき日々の食事に取り入れてみてください。
クランベリーは、北アメリカを原産とするツツジ科の常緑低木です。夏前に白~桃色の花を咲かせ、秋には大きさ1cmほどの赤く光沢のある赤い実を付けます。
クランベリーの果実は、ブルーベリー・コンコードグレープと並んで北米3大フルーツに数えられています。生の状態の果実は酸味やえぐみが強いため、クランベリーソースや飲料、ドライフルーツなどに加工される際は、一般的に砂糖やシロップが加えられます。
クランベリーは、アメリカ先住民が料理や染色、薬などの幅広い用途に利用していた果実です。クランベリーの果実と葉は、膀胱や胃、肝臓などの症状・疾患に対して用いられたと言われています。現在では、尿路感染症に良いと考えられていますが、その根拠は限定的だとされています。また、すでに発症した尿路感染症の治療に対して、クランベリーの有効性は証明されていません。
続いて、クランベリーの果実に含まれる栄養素について、アメリカ農務省(USDA)のデータをもとに詳しく紹介します。
生のクランベリー 可食部100gあたりの 栄養成分 |
ドライクランベリー 可食部100gあたりの 栄養成分 |
|
---|---|---|
エネルギー | 46kcal | 308kcal |
たんぱく質 | 0.46g | 0.17g |
脂質 | 0.13g | 1.09g |
炭水化物 | 11.97g | 82.8g |
食物繊維 | 3.6g | 5.3g |
糖質 | 4.27g | 72.6g |
ビタミンE (α-トコフェロール) |
1.32mg | 2.1mg |
また、生のクランベリーには上表に記載したもののほかに、抗酸化・抗菌作用をもつポリフェノール「プロアントシアニジン」が100g当たり418.8mgも含まれています。
出典:USDA Database for the Proanthocyanidin Content of Selected Foods 2004)
食物繊維は、小腸では消化・吸収されずに大腸まで達する成分で、整腸作用、血糖値上昇の抑制など、健康への様々な効果が期待できます。
厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病の予防を目的として日本人が目標とすべき1日の食物繊維摂取量は、18~64歳の男性で20~22g以上、女性で18g以上とされています。欧米では、1日24g以上の食物繊維を摂取することで、心筋梗塞や脳卒中、乳がん、胃がん、大腸がんなどの発症リスクが下がるという研究報告もあります。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」
一方、2022年公表の「令和4年 国民健康・栄養調査結果の概要」によれば、20歳以上の男女が1日に摂取する食物繊維の平均値は18.5gでした。便秘の改善だけでなく、生活習慣病の発症予防に食物繊維を含むクランベリーなどを積極的に取り入れましょう。
「抗酸化ビタミン」とも呼ばれるビタミンEは、4種類のトコフェロールと4種類のトコトリエノールをあわせた、計8種類の成分の総称です。トコフェロールには、α(アルファ)・β(ベータ)・γ(ガンマ)・δ(デルタ)の4種類があります。中でもクランベリーに含まれるαトコフェロールは、体内で最も量が多く、生理作用の強い成分です。
ビタミンEの摂取により、肌のバリア機能の強化や過酸化脂質の生成抑制、血管の健康維持など様々な効果が期待できます。厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、1日のビタミンEの摂取目安量は、18~64歳の男性6.5mg、女性5.0~6.0mgです。ビタミンE摂取量が不足すると、肌にシミやシワができやすくなるほか、冷え性や頭痛、動脈硬化などの原因となることもあります。
プロアントシアニジンは、抗酸化・抗菌作用を持つポリフェノールの1種です。ほかにも、抗ウイルス作用や抗がん作用、コレステロールの上昇抑制など、様々なはたらきがあると言われています。
生のクランベリーには、プロアントシアニジンが100g当たり418.8mg含まれています。
プロアントシアニジンは、ポリフェノールの中でも特に強い抗酸化力があると言われる成分です。抗酸化物質として近年注目されており、老化や病気の原因となる活性酸素を除去する作用が期待できます。
研究段階ではあるものの、クランベリー由来のキナ酸が、尿路感染症に対して役立つとされる論文が発表されています。キナ酸は、クランベリーのほか、グレープフルーツやコーヒーの種子などにも含まれている成分です。
出典:Jensen Heidi D. et al., Cranberry Juice and Combinations of Its Organic Acids Are Effective against Experimental Urinary Tract Infection, Front Microbiol., 2017 Apr 4;8:542
キナ酸は、肝臓での代謝によって「馬尿酸」という酸性物質に作り替えられます。細菌が繁殖すると尿がアルカリ性になりますが、馬尿酸が作用することで弱酸性になり、細菌の増殖を抑えることができます。
ドライクランベリーはそのまま食べるのもおいしいですが、以下のようにアレンジできます。
クランベリーを生で食べると酸味を強く感じますが、ドライフルーツに加工される際には砂糖が加えられるため、甘味があって食べやすい点も魅力です。生の果実より賞味期限が長くなるので、保存にも適しています。
ただし、糖分が多いため、食べすぎには注意が必要です。ドライクランベリーをそのまま楽しむ際は、1日20~30g程度を目安として、適度な量の摂取を心がけましょう。
クランベリーには、食物繊維やビタミンE、ポリフェノールが含まれており、栄養バランスを整えたい方にぴったりな食品です。特にプロアントシアニジンという成分が100g当たり418.8mg含まれており、健康維持に役立つ成分として注目されています。生のクランベリーは酸味やえぐみが強く食べづらいですが、ドライクランベリーであればそのままでも食べやすく、ヨーグルトやデザートのトッピング、肉料理のソースとしても活用でき、料理のアクセントとしてもおすすめです。
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