栄養価が高いナッツは、健康や美容に気を遣う方に注目されている食品の1つです。しかし、「カロリーが高く脂質も多い」というイメージをもつ方も少なくありません。特に脂質は、減量を目指している方にとって気になるものです。
結論から言うと、ナッツには脂質が多く含まれていることは確かですが、適切な量を守れば問題ありません。むしろ、ナッツの脂質は健康的な減量をサポートしてくれる可能性があります。これには、ナッツに含まれる脂質の特徴が大きく関係します。
そこで今回は、ナッツに含まれる脂質の特徴とナッツの太りにくい食べ方について詳しく説明します。
ナッツは健康効果が期待できる食品として注目を集める一方で、「脂質が多く含まれており、太りやすい」といった印象をもっている方も少なからずいるでしょう。
ナッツには様々な種類があり、ナッツによって含まれる栄養成分の量は上下しますが、共通して脂質の量が多いという特徴があります。
脂質(g) | エネルギー(kcal) | |
---|---|---|
アーモンド | 51.8 | 609 |
クルミ | 68.8 | 713 |
マカダミアナッツ | 76.7 | 751 |
ピスタチオ | 56.1 | 617 |
カシューナッツ | 47.6 | 591 |
(※可食部100gあたり)(※出典1)
上記の通り、主なナッツは脂質が多く含まれるためカロリーが高く、食べすぎると太ってしまうように見えます。ただし、食べる量に気を付ければ何ら問題はありません。
ナッツには脂質が多く含まれていることから「太りやすい」と考える方も多くいるでしょう。しかし、ナッツに含まれる脂質のほとんどは「不飽和脂肪酸」であり、体によい影響を与えることが期待できます。
不飽和脂肪酸とは、脂肪の構成要素である脂肪酸の一種で、植物や魚の脂質に多く含まれています。飽和脂肪酸と異なり、血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増加させないことが分かっており、種類によっては中性脂肪を低下させる働きがあることでも知られています。(※出典2)
また、不飽和脂肪酸とひとくちに言っても、様々な種類があります。ここからは、ナッツに含まれる不飽和脂肪酸の種類を、特徴とともに紹介します。
オレイン酸とは、不飽和脂肪酸の一種です。主にオリーブオイルやキャノーラオイルなどの植物油に多く含まれており、血液中の悪玉コレステロールを低下させる報告があります。
オレイン酸は人間の体内でも一定量が生成されるので必須脂肪酸ではないものの、健康維持のためには積極的に取り入れたい栄養素と言えるでしょう。(※出典3)
リノール酸とは、n-6系脂肪酸に属する不飽和脂肪酸の一種です。主にコーン油、大豆油などの植物油に多く含まれており、体内で合成できない必須脂肪酸として重要な役割を果たしています。
リノール酸は、血液中のコレステロールを低下させる働きをもつことが報告されています。さらに、近年の研究では、食後の血糖上昇を緩やかにできる可能性が示唆されています。(※出典4)
オメガ3脂肪酸とは、体内でつくられない多価不飽和脂肪酸の一種であり、「n-3系脂肪酸」とも呼ばれています。代表的なものに「EPA(エイコサペンタエン酸)」、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」、「ALA(α-リノレン酸)」があります。
オメガ3脂肪酸は、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させる働きをもち、循環器疾患や精神疾患の予防効果が期待されています。
また、EPA・DHAは脂肪の多い魚に、ALAは植物油や一部ナッツ類に多く含まれていますが、体内に入ったALAの一部はEPA・DHAに変換されることも分かっています。クルミにはALAが多く含まれており、植物性のオメガ3脂肪酸を手軽に摂取できる食材と言えます。(※出典5)
脂質が含まれているナッツも適量を守りながら食べれば、体重を維持したまま健康的な生活を送れます。しかし、その適量が具体的にどれくらいを指しているのか、またどの種類のナッツを選べばいいのかという点に疑問を抱いている方も多いでしょう。
最後に、太りにくいナッツの食べ方やポイントを紹介します。
ナッツは脂質が多いので、食べすぎると体重増加につながってしまう可能性があります。そのため、ナッツを食べる際も適切な量を意識しましょう。
1日当たりのナッツ摂取目安量は、約25~30gです。これは、片手のひらに乗せられる程度の量に相当します。この摂取量を守ることで、ナッツの栄養をしっかり摂取しつつ、過剰なカロリー摂取を避けられるでしょう。
なお、農林水産省が公表している「食事バランスガイド」では、間食は1日200kcalを目安にすることが推奨されています。(※出典6)25gのナッツを食べた場合の摂取カロリーは約150~190kcalとなり、間食として適切な範囲に収まります。
ナッツは脂質のほか、食物繊維も多く含まれています。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、ナッツには主に不溶性食物繊維が含まれています。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して腸内で膨らむ性質があり、腸内でゆっくりと移動するため満腹感を得られやすいという特徴があります。少量でも腹持ちがよく、食事のコントロールがしやすくなるため、次の食事の食べすぎを防ぐのに役立ちます。また、腸を刺激してぜん動運動を促し、スムーズな排便をサポートします。
そのため、ナッツを食べるタイミングは食前または15時のおやつがおすすめです。
「体重の増加を防ぐためには、脂質の少ないナッツだけを食べればいい」と考える方もいるかもしれませんが、健康的に体重を維持しながら、栄養素を十分に摂取するという点では、数種類のナッツが入った「ミックスナッツ」がおすすめです。
なぜなら、各ナッツにはそれぞれ特有の栄養素が含まれているためです。例えばクルミにはオメガ3脂肪酸が多く含まれており、アーモンドにはビタミンEやリノール酸が多く含まれています。ミックスナッツで様々な栄養素をバランスよく摂取することで、健康的かつ飽きずに毎日楽しめるでしょう。
ナッツには様々な種類があり、その味付けも多種多様です。
スーパーやコンビニのおつまみコーナーに並んでいるナッツ商品は、お酒に合うように塩で味付けされたものなどが多く、カロリーも高い傾向にあります。塩分の過剰摂取は、むくみを引き起こしたり、生活習慣病のリスクを高める要因となるため、健康維持の面ではおすすめできません。
栄養補給としてナッツを取り入れるのであれば、味付きのおつまみナッツは避け、素焼きタイプのナッツを選ぶと良いでしょう。油を使用せずローストした素焼きナッツは、ナッツ本来の甘みや風味がしっかりと感じられます。
そのまま食べてもおいしく味わえますが、素焼きのナッツは料理にも加えやすい点がメリットです。たとえば、から焼きしたクルミをサラダに加えると手軽によりおいしくヘルシーな食事に仕上げられます。また、間食に取り入れる場合も、スムージーにナッツを加えることで栄養価がアップする上、満足感もアップします。
ナッツは脂質を多く含み、高カロリーであることから「太りやすい」と考える方も多くいます。しかし実は、ナッツに含まれる脂質の多くは体によい影響を与える不飽和脂肪酸であり、適切な量を守って摂取することで健康的な食生活を送れるでしょう。
体重を増加させずにナッツを楽しむためには、1日25〜30gを目安に摂取すること、食べるタイミングや組み合わせに工夫をすること、そして素焼きのナッツを選ぶことがポイントです。
デルタの「ナッツ屋さん」シリーズや「ロカボナッツ」シリーズでは、ナッツ本来の風味や栄養を活かした商品を豊富に販売しています。ナッツを日々の食事やおやつに取り入れたいという方は、ぜひデルタのナッツをお試しください。
(※出典1)
食品成分データベース「種実類/アーモンド/乾 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類」
食品成分データベース「種実類/くるみ/いり – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類」
食品成分データベース「種実類/マカダミアナッツ/いり/味付け – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類」
食品成分データベース「種実類/ピスタチオ/いり/味付け – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類」
食品成分データベース「種実類/カシューナッツ/フライ/味付け – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類」
(※出典2)
厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 1‐3 脂質」
(※出典3)
J‐STAGE オレオサイエンス2007 年 7 巻 10 号「高度不飽和脂肪酸とオレイ ン酸の健康栄養機能」
(※出典4)
J‐STAGE オレオサイエンス2007 年 7 巻 10 号「高度不飽和脂肪酸とオレイ ン酸の健康栄養機能」
和歌山県立医科大学「植物油に含まれるリノール酸が食後の血糖上昇を緩やかにできる可能性を発見」
(※出典5)
厚生労働省eJIM「オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと」
(※出典6)
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