内閣府の発表では、気象災害はこの100年間でより激しく、頻繁に起きるようになっています。加えて、気象庁の予測では、南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくない状況にあります。
このような自然災害のリスクが高まる現在、非常食の準備は自宅避難や避難所での生活を支える上で重要です。ライフラインが止まった状態においては、調理の手間が少なく、栄養バランスを考慮した食品ストックがあると、身体だけでなく心の負担を軽減できます。
しかし、非常食は種類も多く、初めて備蓄を考える際は何をどの程度用意すればよいか悩む人もいるでしょう。
この記事では、非常食の選び方や、ローリングストックを活用した備蓄方法を分かりやすく解説します。
そもそも非常食とは、災害への備えとして用意する食品・飲料のことです。非常食は基本的に平時に備蓄するものなので、非常食を選ぶ際は被災時の状況を想像する必要があります。
以下では、非常食になる食品を選ぶときに注意するポイントを5つ解説します。
普段の生活と比べて、非常時にはバリエーションが豊かな食事を取りづらく、健康の維持に必要な栄養素が不足しやすいリスクがあります。災害復旧が長引くことを想定して、非常食には普段から不足しがちな栄養素を補えるものも一緒に選びましょう。
日常生活で不足しがちな栄養素には、たんぱく質や食物繊維、ビタミン類、カルシウム・カリウム・鉄・亜鉛などのミネラル類が挙げられます。非常食はエネルギー量だけでなく、栄養バランスも意識することが大切です。
非常食はいつ来るか分からない災害などの非常時に備える必要があるため、長期保存が可能な缶詰めやフリーズドライ食品が一般的に適しています。また、停電時には冷蔵庫も使えなくなるため、冷蔵・冷凍ではなく常温保存ができるかどうかをチェックしましょう。
ただし、非常食にも賞味期限があることに注意してください。
賞味期限とは、商品を未開封の状態でおいしく食べられる保存期限のことです。賞味期限をすぎた食品は品質が変化している可能性があります。非常食も賞味期限の日数に注意して備蓄しましょう。
災害が発生すると、水道・電気・ガスの供給が停止して食品の調理ができなくなるおそれがあります。
非常食はライフラインがストップしたときにもすぐ食べられるように、調理不要なものがおすすめです。
また、食品の開封に缶切り・ハサミが必要な食品は、開封道具を持っていないと食べられません。被災時には缶切りやハサミが手近にないことも想定して、手だけで開けられるものを用意しましょう。
被災時は普段の生活よりもストレスを感じやすく、食べ慣れない食事が続くと食欲が落ちることがあります。普段とは異なる環境下でも食事をきちんと取れるように、非常食には普段から食べ慣れているものを選びましょう。
また、普段の食事で非常食を家族全員で食べてみて、非常食の味を確認しておくこともおすすめです。子どもや高齢者の家族がいる場合は、子どもの口に合う味か、高齢者が食べられる硬さかなどをチェックしてみてください。
災害が発生すると平時のように家庭ごみを回収してもらえるとは限らず、ごみの処理に悩むことがあります。非常食はごみがあまり出ず、ごみがかさばりにくいものを選びましょう。
たとえば、汁やソースが残らない食品や、袋から直接食べられる食品がおすすめです。
農林水産省によると、非常食は最低でも3日分、できれば1週間分を備蓄するとよいとされています。
実際に用意するべき非常食の量は、家族の人数に合わせることが大切です。農林水産省が例として挙げている、大人1人分の非常食の量を紹介します。
水 | 3リットル |
---|---|
レトルトご飯、アルファ化米 | 7パック |
パン | 1食 |
即席麺、カップ麺 | 1個 |
肉、魚、豆などの缶詰 | 5缶 |
レトルト食品 | 2パック |
豆腐(充てん)1食 | 1食 |
乾物(かつお節、桜エビ、煮干しなど) | 適量 |
上記で紹介した食品のほかに、カセットコンロとボンベも備蓄しておくとよいでしょう。カセットコンロとボンベがあればお湯を沸かしたり簡単な調理をしたりできるため、防災グッズとして役立ちます。
非常食は備蓄したままチェックしないことも多く、実際に非常食を使う際、「賞味期限を過ぎていた」ということが発生します。非常食の賞味期限切れを防ぐには、ローリングストックを行うとよいでしょう。
ローリングストックとは、平時に食品をやや多めに買い置きをして、賞味期限が古い食品から消費し、消費した分を買い足すという食品の保存・管理方法です。非常食のローリングストックを行うと、賞味期限内の食品が常に一定量備蓄されている状態を作ることができて、突然来る災害時において非常食の賞味期限切れを起こしません。
また、ローリングストックは、非常時の備えとしてだけでなく、日常的に使用する生活用品にも応用できる、実用的な方法です。カセットコンロ用のボンベや乾電池、使い捨てカイロなども使用期限を切らさずに備蓄できるようになるでしょう。
非常食に向いている食品としては、下記のものが挙げられます。
水は飲料として飲むだけではなく、カップ麺やアルファ化米を食べるときにも使います。
カップ麺・乾パン・バランス栄養食・パックご飯は主食となり、レトルト食品や缶詰はおかずとして食べる食品です。
また、普段使いする食品の中にも非常食に向いている食品があります。以下では非常食に最適で、普段使いもできる食品を4つ紹介します。
常温で長期保存できるサラミ・ジャーキーなどの肉類加工品は、鉄、亜鉛、ビタミンB群を多く含みます。普段はおやつやお酒のおつまみに、災害時には貴重なたんぱく源になるため非常食にも向いている食品です。
また、サラミやジャーキーを食べるときは軟らかくなるまで口の中で噛む必要があり、咀嚼回数が増えて満腹感を得られます。小袋入りになっている商品が多く、簡単に開封できることも非常食に向いているポイントです。
ジャムや果物シロップには糖分が多く、未開封の状態であれば長期保存することが可能です。普段はパンやヨーグルトにつけて食べることができ、未開封のままストックして非常食としても使えます。
ジャムや果物シロップは、乾パンやビスケットを食べるときに役に立ちます。乾パンの上にジャムを塗ったり、お湯で割った果物シロップの中に乾パンを浮かべたり、浸したりすれば、乾パンをおいしく食べられるでしょう。
ドライフルーツは果物を乾燥させた食品で、少ない水分量と高い糖度により日持ちがしやすい食品です。
ドライフルーツは調理の必要もなく丸ごと食べられるため、非常食に向いています。普段はお菓子の材料や料理にも使えるため、賞味期限が近付いてきた場合でもストックを消費しやすい食べ物です。
ドライフルーツに含まれている栄養素は果物の種類によって異なりますが、どれも食物繊維に富んでいます。避難生活などで不足しがちな栄養素を補給するためには、様々な種類のドライフルーツを備蓄するとよいでしょう。
デルタでは、非常食にも向いている各種ドライフルーツを販売しております。
おやつやおつまみに人気のナッツ類も、非常食に向いている食品です。
ドライフルーツと同様、ナッツ類も水分量が少なく、日持ちがします。また、そのまま手軽に食べられるのも魅力です。ナッツの種類によって違いはありますが、たんぱく質に富んでいるものもあります。
例えばアーモンドには、たんぱく質が19.6g、食物繊維が10.1g、カリウムが760mg、カルシウムが250mg、鉄分3.6mg、ビタミンEが30.8mg含まれており、バランスよく栄養補給するのに役立つでしょう。
デルタでは非常食としても便利な、小分けしたナッツ類を販売しております。
災害時の食事は、単に生きるために必要なだけでなく、心身の健康を保ち、非常時のストレスを和らげるためにも重要です。栄養バランスや調理の可否、ごみが出るかなどの視点は、非常食を選ぶ上で見落とさないようにしたいポイントです。
さらに、ローリングストックを取り入れれば、賞味期限を過ぎた食品を減らし、いざというときにも期限が切れていない食品を備えておけます。非常食に向いた食品を普段の食生活に取り入れながら無理なく備蓄することで、食べ慣れた物を災害時でも食べることができ、普段とは異なる環境下でも食事のストレスを軽減できます。
ドライフルーツやナッツといった保存がきき、栄養価の高い食品を非常食にも普段の生活にも取り入れて、災害に備えるのがおすすめです。
キャンポス ブラザーズ社のサステナビリティ アニメーション動画
デルタの世界のパートナーをご紹介!