イチジクは栄養価の高さと独特の甘さで長く親しまれてきた果物です。イチジクはとろけるような食感と甘みが魅力で、そのまま食べるだけでなく、ワイン煮や天ぷらなど、様々な料理に利用されています。イチジクの旬は短いため、保存性が高く気軽に食べられるドライイチジクも注目されています。
当記事では、イチジクやドライイチジクに含まれる栄養素と、食べ方のポイントについて詳しく解説します。日々の食生活にイチジクを取り入れたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
イチジクは、アラビア南部や東西アジアが原産であり、紀元前から栽培されていたとも言われ、エジプトの壁画に描かれているほど歴史のある果物です。
イチジクは漢字で「無花果」と書きます。イチジクの外部からは花が見えないことから、「無花果」の漢字が当てられたと言われています。一般的に食用されている中のツブツブ部分が花にあたります。(※出典1)
イチジクは、とろけるような甘さやプチプチとした食感を楽しめる点が魅力です。イチジクは料理の材料として利用されることも多く、ワイン煮や天ぷらなどの食べ方も多数あります。
イチジクは傷みやすいため、購入後は冷蔵庫に保管し、なるべく早めに食べましょう。数日以内に消費できない分はジャムやコンポートに加工すると、生の果物とは異なる味わいで保存でき、楽しめます。(※出典2)
イチジクをより手軽に楽しむためには、イチジクの栄養が詰まったドライフルーツである「ドライイチジク」がおすすめです。ドライイチジクはそのまま間食として楽しむ他、パンやお菓子作りの材料にも使えます。
ドライイチジクには生の果実と比較して保存性が高いので、季節を問わずに好きな時に手に入り、食べられるメリットがあります。ドライイチジクへ加工する際には通常、皮ごと乾燥させるため、イチジクの栄養を無駄なく摂取できる点もメリットです。イチジクに含まれる栄養素は以下の通りで、食べ方によっては、ドライイチジクを選択したほうが効率的に摂取できるものもあります。
生のイチジク | ドライイチジク | |
---|---|---|
食物繊維 | 1.9g | 10.7g |
カリウム | 170mg | 840mg |
鉄 | 0.3mg | 1.7mg |
カルシウム | 26mg | 190mg |
※可食部100gあたり(※出典3)
ドライイチジクに含まれる食物繊維・カリウム・鉄・カルシウムの主な働きは、以下の通りです。
食物繊維は、便通を整えて便秘を予防したり、善玉菌に利用されて腸内環境改善をサポートする効果が期待される栄養素です。ドライイチジクには食物繊維は豊富で、100gあたり10.7g含まれています。(※出典4)
食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に大別できます。生・ドライを問わず、イチジクは以下の通り、水溶性食物繊維が多く含まれている果物です。
生のイチジク | ドライイチジク | |
---|---|---|
水溶性食物繊維 | 0.7g | 3.4g |
※可食部100gあたり(※出典5)
水溶性食物繊維は、生活習慣病の予防をサポートする栄養素の1つとされており、消化管での糖質吸収を遅延させて急激な血糖値の上昇を抑制する効果や血中コレステロールの上昇を抑制する効果が期待されています。(※出典6)
カリウムは、小腸で吸収された後に全身へ運搬され、ナトリウムとともに細胞内液の浸透圧を維持・調整している栄養素です。ドライイチジクには栄養素が凝縮されており、100gあたり840mgのカリウムが含まれています。(※出典7)
また、カリウムは、腎臓でナトリウムの再吸収を抑制し、尿への排出を後押しして血圧を下げてくれる栄養素です。高血圧を予防するためには過剰な塩分の摂取を控えることと同時に、適量のカリウムを取ることが推奨されています。(※出典8)
カリウムによって過剰なナトリウムの排出を促すと、余計な水分を溜め込みにくい状態を作れる点もメリットです。ドライイチジクなどの食べ物から適量のカリウムを日常的に摂取すると、身体のむくみ防止に役立ちます。(※出典9)
鉄は、血液の中でヘモグロビンの構成要素となり、全身へ酸素を運搬する働きを担当するミネラルの一種です。鉄は人間の体内に約3~5gあるものの、代謝によって成人男性の場合は約1mg・成人女性の場合で約0.8mgが損失しています。また、女性は月経によってさらに鉄が不足してしまいます。貧血を予防するためには、日々損失する鉄を食事などから意識的に摂取することが重要です。(※出典10)
ドライイチジクには100gあたり1.7mgの鉄が含まれている他、赤血球の合成に欠かせない「葉酸」も100gあたり10㎍含まれているので、貧血の予防に役立つ食べ物の1つです。(※出典11)
カルシウムは人間の体内に最も多く含まれるミネラルの一種で、骨や歯を形成している栄養素です。慢性的にカルシウムが不足すると、骨粗鬆症のリスクが高まります。
骨粗鬆症を防止するためには、食事の栄養バランスを整えることが基本です。様々な栄養素の中でも特にカルシウムは重要度が高く、骨粗鬆症のリスクを軽減したい場合には、意識的に摂取することが推奨されています。また、カルシウムにはその他、筋肉の興奮性を抑制したり神経を安定させたりする役割もあり、健康的な生活を送るために欠かせない栄養素の1つです。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人1人が1日に摂取するカルシウムは、男性で700~800mg、女性で650mgが目標とされています。(※出典12)仮にドライイチジクを50g食べると、1日あたりの目標量の約12~15%にあたるカルシウムの摂取が可能です。
なお、カルシウムの吸収を促して骨の健康を維持するには、ビタミンDが欠かせません。ビタミンDは日光にあたると体内で生成されるので、骨の健康を気にする際は、日中の生活を意識しましょう。(※出典13)
生・ドライフルーツのイチジクはいずれも健康面のメリットを期待できますが、食べ方に注意が必要です。以下では、ドライイチジクを安全かつ効果的に楽しむための注意点や食べ方のポイントを紹介します。
イチジクに限らず、多くの果物には糖質が含まれています。イチジクを食べ過ぎると糖質や摂取カロリーが過剰になる可能性もあることから、適量を意識しましょう。
生とドライフルーツのイチジクに含まれる糖質とエネルギー量は、以下の通りです。
生のイチジク | ドライイチジク | |
---|---|---|
糖質 | 11.0g | 62.7g |
エネルギー | 54kcal | 291kcal |
※可食部100gあたり(※出典14)
また、ドライイチジクは、食物繊維を比較的多く含みます。食物繊維を過剰に摂取すると便秘や下痢になるケースもあるため、胃腸が敏感な人は注意して食べましょう。
一部の人はイチジクを食べた後、唇が腫れたり口腔内にかゆみが生じたりする口腔アレルギー症候群を発症することがあります。(※出典15)
口腔アレルギー症候群は、花粉アレルギーの合併症として発症することが珍しくありません。花粉症の人や肌が弱い人は念のため、様子を見つつドライイチジクを食べましょう。
イチジクは栄養価が高いため、日常の食生活に取り入れたい果物です。手に入りやすいドライイチジクを活用すれば、食物繊維やカリウム、鉄分、カルシウムなどの栄養素を効率よく摂取できます。
デルタでは、ひとくちサイズで食べやすいドライイチジクをお届けしています。そのまま食べるのはもちろん、お菓子やパン作りにもぴったりなので、ぜひデルタのドライイチジクで生活にイチジクを取り入れてみましょう。
出典3:文部科学省「第2章 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)7果実類」
出典5:文部科学省「第2章 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)7果実類」
出典7:文部科学省「第2章 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)7果実類」
出典8:e-ヘルスネット「カリウム」、健康長寿ネット「カリウムの働きと1日の摂取量」
出典10:e-ヘルスネット「鉄」、e-ヘルスネット「貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう」
出典11:文部科学省「第2章 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)7果実類」、健康長寿ネット「ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量」、文部科学省「第2章 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)7果実類」
出典12:e-ヘルスネット「カルシウム」
出典13:農林水産省「大切な栄養素カルシウム」
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