ナッツは賞味期限が長めに設定されていますが、適切に保存しないと酸化や湿気によって品質が劣化し、美味しさが損なわれます。ナッツを美味しく食べるために、正しい保存方法を知っておきましょう。
当記事では、ナッツの保存方法や開封後の適切な取り扱い、ナッツの美味しさをより長く楽しむ方法など、ナッツを楽しむための役立つ情報を紹介します。ナッツを生活に取り入れたい方はぜひ参考にしてください。
目次
アーモンド・クルミ・カシューナッツなどのナッツ類には、賞味期限が設けられています。ナッツの賞味期限は商品によって異なるものの、数か月程度のものが多い傾向です。
食品の品質を示す表現には、賞味期限のほかに消費期限があります。賞味期限は定められた方法で保存した場合に品質を保持できる期限を意味します。賞味期限が切れたからと言ってすぐに食べられなくなるわけではありません。もし賞味期限が切れたものを食べるときは、個人での判断が必要です
一方で、消費期限は定められた方法で保存した場合に食品衛生上の問題が生じない期限を示します。消費期限が切れた食品は健康を害する可能性があるため、食べるのは避けましょう。
食品は賞味期限や消費期限に関わらず一度開封すると劣化します。ナッツの劣化が起こる主な原因は、「酸化(酸素・熱・光)」「湿気」の2つです。
ローストされているナッツは水分量が少なく、細菌が増えて腐ることはほとんどありません。ただし、酸化や湿気には弱く、一度開封すると食感が悪くなったりカビが生えたりしやすくなります。
酸化と湿気がナッツに与える影響は、以下の通りです。
酸化とは、物質と酸素が化合する反応です。食品に含まれる脂質は、酸素と化合することで酸化して劣化します。酸化により作られた過酸化脂肪酸は、近くの脂質も酸化させて増え続けることが特徴です。
ナッツには酸化しやすい不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、酸化すると風味が損なわれやすくなります。古い油のにおいがしたり触るとべたべたしたりする場合は、劣化している可能性があるでしょう。
また、直射日光や蛍光灯の光、熱にも弱いので、光や熱が加わることで酸化を促進させてしまいます。
酸化と湿気が気になる場合は、個包装タイプのナッツがおすすめです。
ナッツは酸化や湿気によって劣化するので、開封後は早めに食べるのがおすすめです。
ナッツを美味しく食べ切るために、正しい保存方法をチェックしておきましょう。ナッツの保存では、酸素・熱・光を避けるのがポイントです。
ここではナッツの正しい保存方法を詳しく解説します。
ナッツを保存する場合は、密閉できる保存容器を用意しましょう。ジッパー付きの袋や密閉容器などがおすすめです。
密閉できる保存容器に入れることで、酸化や空気中の水分の吸収を防ぎやすくなります。ただし、袋の素材によっては空気を通す場合があります。ナッツの保存には、できるだけ酸素透過度が低い袋を選びましょう。また、容器を開ける頻度が多いほど、ナッツが酸素に触れる時間が増え酸化が進みやすくなるため、1回に食べる量を小分けにしておくのも効果的です。
パッキン付きの密封性が高いガラス瓶もナッツの保存に適しています。瓶で保存するときは乾燥材を入れておくと湿気を防ぎやすくなります。乾燥材には寿命があるので定期的に交換しましょう。
ナッツの品質を保つには、直射日光が当たらない20℃以下の場所で保存するのがポイントです。湿度が低い状態を保てる扉付きの棚や床下収納などの冷暗所で保存しましょう。
また、冷蔵庫は温度が一定で、扉が閉まっている間は光も入らないため、ナッツの保存に適しています。気温と室温が上がりやすい夏場は、冷蔵庫の中での保存がおすすめです。
ただし、室温が高い状態で冷蔵庫からナッツを取り出すと、結露による湿気で劣化する可能性があるので注意しましょう。
ナッツを保存できる期間は、開封の有無によって異なります。開封後は賞味期限に関わらず早めに食べ切ることが大切です。
ナッツの保存期間の目安は、下記の通りです。
開封前 | 数か月程度 |
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開封後 | 1か月以内 |
商品によっては未開封で1年以上保存できる場合もあります。開封前の賞味期限は、商品の記載内容を確認しましょう。開封後の保存期間は、保存環境によっても差があります。酸素に触れると劣化が進むため、開封後は1か月以内を目安に食べ切りましょう。
未開封のナッツは、開封後と同様に直射日光の当たらない涼しい場所で保管します。
直射日光が当たる場所や湿度が高い場所で保存すると、未開封でもナッツの劣化が進むため注意が必要です。また、温度変化が大きい場所での保管も避けましょう。
商品に記載されている方法で適切に保存できていれば、賞味期限まで十分な品質が保たれます。
開封後に日が経ってしまったナッツは、湿気によりカリッとした独特な食感が損なわれます。しかし、工夫次第で美味しく食べることもできるので、食感が気になる場合は日が経ったナッツの食べ方を試してみましょう。
日が経ったナッツを美味しくする方法を2つ紹介します。
ナッツの食感を復活させるには、加熱して吸収した水分を飛ばすのが効果的です。ナッツの加熱には、オーブンや電子レンジ、フライパンなどを使います。
ナッツを加熱する方法は、以下の通りです。
<オーブンを使う場合>
1 | 天板にクッキングシートを敷いてナッツを重ならないように並べる |
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2 | 150~160℃で5分程度焼く |
3 | 加熱が終わったら天板から外して冷ます |
<電子レンジを使う場合>
1 | 耐熱皿にナッツが重ならないように並べる |
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2 | 30秒~1分前後加熱する |
3 | 様子を見ながら(2)を数回繰り返す |
<フライパンを使う場合>
1 | フライパンに油を引かずにナッツを入れる |
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2 | フライパンをこまめに振りながら中火で5分前後炒る |
オーブンの場合は、庫内に入れたままや天板にのせたままにしておくと余熱で乾燥しすぎてしまうため、加熱が終わったらすぐに取り出して冷ましましょう。
ナッツを加熱する温度と時間は、あくまで目安です。加熱しすぎると苦みや渋みが強くなる場合があるため、様子を見ながら調整しましょう。
日が経ったナッツは、料理の材料やトッピングとして活用するのもおすすめです。
ナッツを使ったアレンジ方法の具体例は、下記の通りです。
消毒した瓶や容器にローストしたナッツを詰めてはちみつを注ぎ入れると、簡単にナッツのはちみつ漬けができます。半日ごとに上下を返して3日前後漬け込んだら食べ頃です。トーストやヨーグルトとの相性も抜群です。
ナッツを砕いたりスライスしたりして料理やお菓子に加えると、食感や香ばしさがプラスされて良いアクセントになります。野菜や果物との相性もいいため、スムージーの隠し味にもおすすめです。
※上記で紹介した食べ方は、食感は損なってしまったものの酸化はしていないナッツのアレンジ方法です。酸化してしまったナッツは、ナッツに含まれる油分が古くなり味も劣化してしまっているため、食べないほうが良いでしょう。
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未開封のナッツは賞味期限は数か月先に設定されていることが多いものの、開封済みのナッツは酸化や湿気によって劣化してしまうため、適切に保存する必要があります。密封できる容器もしくは個別包装のナッツを選び、湿気の少ない冷暗所で保存しましょう。
もし開封してから日が経ち、食感が損なわれた場合は、加熱して水分を飛ばすと美味しく食べられます。また、スイーツや料理などにナッツを使い、アレンジするのもおすすめです。
ただし、酸化してしまったナッツは食べないようにしましょう。