ナッツは、低糖質でありながら不飽和脂肪酸や食物繊維、ビタミン類などが含まれる食材で、ダイエット中に不足しがちな栄養補給に活用できます。そのため、糖質コントロール中の食事におすすめの食材と言えるでしょう。
この記事では、ナッツが糖質コントロール中の食事におすすめとされる理由や、各ナッツの糖質量、糖質コントロール中のナッツの選び方・食べ方を解説します。糖質コントロール中の食事について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
ナッツ類は体内で合成できない脂質「不飽和脂肪酸」を含む上、少量で満足感を得やすい食材です。またナッツ類は、サラダにトッピングする、そのまま食べるなど、食べ方の選択肢が豊富で、美容と健康を重視した生活を送る人から人気が高い食材にあたります。
糖質コントロールダイエットにナッツを取り入れるメリットや期待される効果をより詳しく確認し、自分の理想とする身体づくりに役立ててください。
ヨーロッパ臨床栄養学会で2023年に発表された研究によれば、食前にアーモンドを食べると、食後の急激な血糖値上昇を抑制できるとされます。
アーモンドに限らず多くのナッツは比較的低糖質で、食後の血糖値変動を抑えやすい食材です。
以下は、糖質コントロールダイエット中におすすめのナッツ3種と、朝食によく食べられる主食や果物の可食部100gあたり糖質量をまとめた表です。
食材 | 100gあたり糖質量 |
---|---|
アーモンド | 11.5g |
クルミ | 3.7g |
ヘーゼルナッツ | 9.1g |
麦飯 | 24.6g |
白飯 | 36.1g |
バナナ | 19.4g |
コーンフレーク | 82.7g |
食パン | 44.1g |
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/アーモンド/乾」
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/くるみ/いり」
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/ヘーゼルナッツ/フライ/味付け」
出典:文部科学省食品成分データベース「穀類/おおむぎ/押麦/めし」
出典:文部科学省食品成分データベース「穀類/こめ/[水稲めし]/精白米/うるち米」
出典:文部科学省食品成分データベース「穀類/とうもろこし/コーンフレーク」
出典:文部科学省食品成分データベース「穀類/こむぎ/[パン類]/角形食パン/食パン」
白飯やコーンフレークのように糖質の高い食材を一度に食べると血糖値が急上昇して、肥満リスクが高まります。アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツの糖質量はいずれも白飯や食パンの3分の1以下で、糖質コントロールダイエットに向く食材と言えます。
ナッツ類に含まれる食物繊維は善玉菌のえさになり、腸内環境を整えてくれる栄養素です。以下は、代表的なナッツに含まれる食物繊維量の目安を示します。
食材 | 100gあたり食物繊維総量 |
---|---|
アーモンド | 10.1g |
クルミ | 7.5g |
ヘーゼルナッツ | 7.4g |
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/アーモンド/乾」
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/くるみ/いり」
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/ヘーゼルナッツ/フライ/味付け」
食物繊維が豊富なイメージも強いレタスには、100gあたり1.1g程度の食物繊維しか含まれていません。食物繊維を意識的に摂取する目的で日々の食事に取り入れる場合には、レタスよりアーモンド・クルミ・ヘーゼルナッツを選択したほうが効率的です。
出典:文部科学省食品成分データベース「野菜類/(レタス類)/レタス/土耕栽培/結球葉/生」
食物繊維は、便秘の防止に欠かせない栄養素にあたります。食物繊維には脂質・糖などを吸収して体外に排出する働きも期待され、健康的なダイエットをサポートできる栄養素です。
日本人の食物繊維摂取量は近年減少しているため、意識的に取ることが推奨されています。栄養バランスの整った健康的な食生活を送れるように、ナッツのように食物繊維が豊富な食材を日々の食事に取り入れましょう。
ナッツには適度な歯ごたえがあり、食事に取り入れると噛む回数が増加します。よく噛んで食事を取ると脳の視床下部にある満腹中枢を刺激でき、同量の食事を取った場合の満足感を高めることが可能です。
また、ナッツ類には、水分を含んで吸収する性質を持つ「不溶性食物繊維」が豊富です。例えば、アーモンドにはレタス約9個分にあたる可食部100gあたり9.3gの不溶性食物繊維が含まれています。
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/アーモンド/乾」
出典:文部科学省食品成分データベース「野菜類/(レタス類)/レタス/土耕栽培/結球葉/生」
不溶性食物繊維は体内で水分を吸収して膨らむため、満腹感が長続きし、間食したい欲求を抑えやすくなる効果に期待できます。
ナッツ類には「ビタミンE」「不飽和脂肪酸」などが含まれており、糖質コントロールダイエット中の効率的な栄養補給に役立ちます。
例としてアーモンドにはビタミンEの中でも吸収されやすいα-トコフェロールが30mg、血中LDLコレステロールを抑制するとされるオレイン酸が100gあたり約33000mg含まれます。ほかにも、マグネシウムやカリウム、ビタミンB₁・B₂といった人間の体に必要な成分がアーモンドによって摂取可能です。
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/アーモンド/乾」
出典:食品成分データベース「種実類/アーモンド/乾 -06.脂肪酸-脂肪酸総量100g」
クルミには必須脂肪酸であるリノール酸が100gあたり61.3g含まれるほか、葉酸・オメガ3脂肪酸・ビタミンB₁・ビタミンB₆などが含まれています。
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/くるみ/いり」
出典:食品成分データベース「種実類/くるみ/いり – 06.脂肪酸-脂肪酸総量100g」
糖質コントロールダイエット中はビタミン類や脂質の摂取量が減少して、栄養バランスが偏ることも珍しくはありません。ナッツ類を取り入れると栄養バランスに配慮しつつ、健康的なダイエットを行えるでしょう。
ナッツ類の1食あたりの摂取量は、20~30gが目安です。大まかな基準としては手のひら1杯程度の量を意識し、ナッツを食べるとよいでしょう。
主なナッツの1食あたりの糖質量目安は、以下の通りです。
100gあたり糖質量 | 1食分(30g)あたり糖質量 | |
---|---|---|
アーモンド | 11.5g | 3.5g |
クルミ | 3.7g | 1.1g |
ヘーゼルナッツ | 9.1g | 2.7g |
マカダミアナッツ | 6.7g | 2.0g |
ピスタチオ | 13.1g | 3.9g |
カシューナッツ | 20.2g | 6.1g |
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/アーモンド/乾」
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/くるみ/いり」
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/ヘーゼルナッツ/フライ/味付け」
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/マカダミアナッツ/いり/味付け」
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/ピスタチオ/いり/味付け」
出典:文部科学省食品成分データベース「種実類/カシューナッツ/フライ/味付け」
緩やかな糖質コントロールをする際には、間食の糖質量を10g程度以内に抑えることを食・楽・健康協会は推奨しています。
上記のナッツはいずれも10g程度以内の基準を満たすことから、緩やかな糖質コントロール中にも安心して食べられる食材です。
ただし、市販のナッツの糖質量は味つけや加工方法によっても変化するため、上記の数値は参考程度に考えてください。糖質コントロール中に食べるナッツを購入する際にはパッケージの糖質量記載を見て、基準の範囲におさまることを確認すると安心です。
糖質コントロールダイエット中のナッツの選び方・食べ方には、注意点がいくつかあります。以下で紹介するポイントを理解した上でナッツを取り入れ、糖質コントロールダイエットの成功を目指しましょう。
糖質コントロールダイエット中に食べるナッツは、ロカボナッツを選択すると安心です。ロカボナッツの「ロカボ」とは糖質量を1食20~40g程度・1日70~130g程度に制限して、おいしく・楽しく糖質コントロールすることを目指す食事法です。
デルタのロカボナッツの糖質量は1袋あたり1.6gと、ロカボの基準を満たしています。
デルタのロカボナッツは食塩と油が不使用で、ナッツ本来のおいしさを楽しめるのもポイントです。ロカボナッツを選択すればおいしい間食を楽しみつつ、ストレスを感じにくい糖質コントロールダイエットに取り組めます。
料理しないで食べられるナッツは、仕事や育児で忙しい現代人におすすめの間食です。デルタの「一週間分のロカボナッツ 30g×7袋」のように小袋タイプの商品を持ち歩けば、外出先でも気軽に健康的な間食を楽しむことが可能です。
また、間食をナッツに置き換える場合、14~15時頃の時間帯に食べることが推奨されます。14~15時の時間帯には脂肪をため込む働きをするたんぱく質「BMAL1」の生成量が減るためです。
BML1の生成量は15時以降、深夜にかけての時間帯に増加します。夜中にナッツを食べると逆効果になるリスクがあるため、注意しましょう。
ナッツのように健康的な食材を間食として取り入れるライフスタイルは「ヘルシースナッキング」と呼ばれ、近年注目されているトレンドです。ヘルシースナッキングを実践すると空腹による食べすぎが起きにくくなり、1日あたりのカロリー摂取量を抑制できる可能性もあります。
糖質コントロールダイエットにナッツを取り入れる場合、食事の30分~1時間半程度前に食べる方法もあります。食物繊維が豊富なナッツを食前に食べると適度に空腹が和らぎ、メインの食事の食べすぎ防止を図ることが可能です。
さらにナッツ類は豊富な食物繊維によって炭水化物の吸収を遅らせ、インスリンの分泌抑制を狙える食材であると言われます。インスリンの過剰分泌は脂肪細胞の肥大化につながる恐れがあるため、ナッツを食前に食べれば、肥満防止も狙えるでしょう。
ナッツ類のうち、アーモンドやクルミ、ヘーゼルナッツの100gあたり糖質量は白飯や食パンの3分の1以下と低糖質な食材です。かつ、アーモンドには不飽和脂肪酸やビタミンE、マグネシウムが、クルミにはリノール酸や葉酸・オメガ3脂肪酸・ビタミンB₁・ビタミンB₆が含まれています。不溶性食物繊維も豊富で、例えばアーモンドはレタス約9個分の不溶性食物繊維を含みます。
糖質コントロール中にナッツを食べるときは、ロカボナッツなど糖質が低いものを選び、間食や食前に取り入れるのがおすすめです。食べる時間や量にも注意しつつ、理想的な体づくりを目指してください。