栁川かおり
医師/料理家
パン屋さんに行くとつい手が伸びてしまうのが、あんバターサンド。あんこもジャムもそのままパンにつけるよりも、あんバターとかジャムバターにする方が断然好きなんです。だけどそこで少しためらってしまうのが、たっぷりのあんこと厚切りのバター。これはきっとカロリーも高そうだよねと、ふと頭をよぎってしまいます。それならもっと罪悪感なく食べられる“あんバター”にしたらいいのかも。
小豆を煮る時には、たっぷりのお砂糖を使うけれど、お砂糖の代わりにデーツを使ったら、体に優しいあんこになるはず。小豆は豆の中でも浸水せずにそのまま煮始めても大丈夫だから、わりと気軽に煮ることができる。たっぷりのお湯で一度茹でこぼしたら、もう一度水を入れて柔らかくなるまでコトコトと1時間。
そしたら次はデーツの出番。小豆と馴染みやすいように少し刻んで、小豆を煮ているお鍋へ。
分量の目安は小豆とデーツは1:1の割合。
デーツが柔らかくなるまで、もう30分程コトコト煮て、軽く水分を飛ばしてぽってりとするくらいになったら、塩できゅっと味を締めて出来上がり。お砂糖を使わずにデーツの自然の甘さで出来たギルトフリーなあんこ。優しい甘さだから、たっぷりのせたくなります。
トーストしたパンにデーツあんを好きなだけのせて、バターは控えめで。デーツの味は小豆とどことなく似ているから、あんこにもしっかり馴染みます。実は、味だけじゃなく栄養素も似ているのかも。食物繊維や鉄分、亜鉛、ミネラルにビタミンなど。女性にも嬉しいものばかりです。こんな“あんこ”なら、控えたりせずにむしろ食べた方がいいスイーツになっているのかも。心と体の味方になってくれそうです。
2児のママ。出産を機に2011年より料理ブログを開始。シンプルな料理をより美味しく!をモットーに、まいにち食べても飽きないような「おうちごはん」を目指す。2012年日本テレビ系「ヒルナンデス!」内の史上最大の家庭料理コンテスト「レシピの女王シーズン2」にて優勝し、初のレシピ本を出版。
和食料理人である父の影響により、幼少から実家店舗で料理の基礎を学び、現在も料理家の仕事と両立して和食料理店に立ち腕をふるう。食に関する9つの資格を有しており、企業のレシピ開発やTVなどのメディアでも活躍中。トライアスロンの国内大会では年代別優勝するほどの実力で「食✕スポーツ」の普及活動も精力的に行っている。